Vision&Story

【Vision】

旅を通じて、楽しく生きる人を増やす。

【Story】

「なんか違和感があるな。」

8年間勤めた旅行会社で、7,000人を越える旅の手配をしてきたが、年々そう感じることが増えていた。



相手の顔を見ることなく企画部がツアーを作り、その「商品」を別の人が販売する。パンフレットの中から「自分に合っていそうな商品」を探す。

旅を扱う仕事なのに、旅をする機会が年々減っていくスタッフも、非日常を求めているのに、日常のように制限が多い旅に、お客さんもどこか違和感を感じているようだった。でも「忙しい」「これが当たり前」と、違和感に蓋をして、目先の売上と効率を追い求めて日々を過ごしていた。



そんなある日、身体を壊して70日間入院した。


久しぶりに青い空を眺めていたら、心の声が聞こえてきた。本当に小さな声で。



「これがやりたかった仕事なのかな?」


一つ深呼吸した。


清々しいほどに、答えは「NO」だった。


しかし、大きな会社でそれを追い求めることが難しいことは、この数年で身に染みてわかっていた。


だったら、自分で新しく創るしかないか。「行って、終わり。」ではなく、もっと「心に刻み込まれる」旅を。


こういう経験を持っている人は、人生に迷わない。一時的に迷ったとしても、必ず自分で舵を取り、荒波を越えていく。自分で人生をコントロールすることが、楽しく生きるコツだと思う。



その感覚を得るための、「心に刻み込まれる」=「原体験となる」旅を創りたい。


そのためには「ハタチ」という多感な時期に、「ひとり」で体験すべきだと思った。


「楽しく生きている」と感じる人が増えたら、この世界はもっと良くなる。


あなただけの物語を乗せて、この素晴らしい地球を旅する。その旅が、これからの人生を輝かせてくれる。


そんな有機的な旅を創りたいんだ。


全員がこういう旅を求めていないことは知っている。気軽に旅をしたい時もたくさんある。

でも、少なくとも僕は、こういう仕事がしたかった。

心に刻み込まれる旅だけに、自分の時間(=命)を使っていきたかったんだ。僕は、自分も旅したい気持ちはあるけど、それ以上に、旅人の救いになるような仕事がしたかったんだ。


遠くへ行けば行くほど、

長い時間旅をすればするほど、

人は自由な生き方を選択する力を身につけていく。


体験こそが全てだ。

地球には、想像を絶することが溢れている。



この星を、もっと楽しもう。

自分自身を、もっと楽しもう。



死ぬまで、楽しく自由に生きるんだ。


そのはじめの一歩になることができたら、

最高に嬉しい。



佐野健人