【16カ国目】エジプト
四大文明の一つ、古代エジプト文明発祥の地。
唯一無二の歴史の厚みが、砂漠から顔を出している。
うぉー、デケェー!
そう思うことばかりだった。
ピラミッドの石、おれの身長くらいあるんですけど。
この石像、威圧感が半端ねぇ。
こんなのが大昔に作られていたなんて、ワクワクが止まらないぜ。
この昔に思いを馳せる時が、歴史の醍醐味だな。
エジプトのルクソールからカイロへ行くために深夜、列車を待っていた。
暗いし放送も何言っているかわからないから、駅員らしき人にどの列車に乗ればいいか聞いてみた。「あれだ。」っていうから乗り込んだ。車掌が切符切りに来て「この切符は次の列車のだ。」って。…違うのかよ。じゃあ次の駅で降りて一本後の列車に乗ろうと思い席を立ったら、周りの連中に「次の列車はすごく寒いからこのまま乗っていった方がいいぞ。カイロまで行くから。」と親切にも言われたのでそのまま座っていた。でもまた車掌に見つかって怒られた。本来のこの席の人が来てどかされた。他の席がいっぱいなので車両連結部分へ移った。寒く、臭く、汚く、うるさく、たばこの煙がムンムンだった。仕方なく新聞紙を一枚もらいケツに敷き、座って目を閉じた。ちなみにこの時風邪気味だった。日が昇り始めた頃どっと人が乗り込んできて座れなくなった。それから昼前に到着したカイロまでギュウギュウで立ちっぱなしで、ずっとおっさんの臭い後頭部を見ていた。
宿へ戻ってすぐにベッドに横になった。安宿の固いベッドだけど、ものすごく幸せだった。
もう何でもできる気がした。
…エジプトはいろんなイメージが覆された国だったな。
人間はただ綺麗なだけじゃない。
でもただ醜いだけでもない。
世界中の気持ちいと思ったところで風に吹かれる。
その風と共におれもユラユラと漂っていきそうで。
この瞬間が大好きだ。
旅をするってこういうことなのかなぁ。
ずっとずっと。
もっともっと。
ただ、遠くへ行きたい。
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